世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


5月 28, 2015

東大地震研、SGIでHPCを多目的に利用

HPCwire Japan

John Russell

計算要件の線のぼやけと2重利用の能力の需要が拡大するのに合わせて、従来の研究とビッグデータ・アプリケーションが同じHPCシステムで実行されることが多くなってきている、とSGIのCMOであるBob Brahamは語った。彼は現在のトレンドの例として、東京大学の地震研究所(ERI)における地震火山情報センターでの先月の最新SGIスーパーコンピュータの強化を取り上げた。

「10〜15年前に始まり研究者が地震予知とあえて言いましたが、地震波データベースを持ち、高性能モデル計算と数値シミュレーションにおける全体的な増加に対応するために、洗練された監視および予知システムとなる大規模計算システムが必要とされたのです。時が経つにつれ、その後の火山噴火予知への拡張を伴う、さらなる処理能力のレベルが必要とされました。」とBrahamは語った。

2011年の日本における東日本大震災と津波の後(約16,000人が犠牲となった)、研究者達は地震と火山災害の軽減を含むようにフォーカスを広げており、これは全体のCPU性能、メモリ容量およびディスク容量における増強を意味したのだ。処理能力の拡大に対応するために、ERIは現在のコンピュータシステムをリプレースする必要があったのだ。

「非常に大規模なデータ集約型の研究機関において、特定の研究を行う以上にHPCシステムが利用されているのを見ているのです。」とBrahamは語る。

SGIジャパンはERIと1999年にデータ集約型予知シミュレーションと地殻変動の監視を含む火山観測研究が開始されてから15年以上の関係を継続している。「この期間に私共は5つのシステムを漸次インストールもしくはアップグレードしており、さらに洗練された研究能力を可能しています。」とBrahamは語った。

最新のアップグレードでは、共有メモリシステムとしてSGI UV 2000と分散メモリシステムとしてSGI ICE Xが導入されている。結果は、地震と火山の研究における最先端のモデル計算およびシミュレーションを含んだ科学技術における大規模計算用の共同利用計算プラットフォームだ。

新システムの主要な特長は次のとおり。

  • 遠隔地のユーザコミュニティのための、グラフィック集約型3次元イメージ可視化用NICEソフトウェアによるSGI VizServer
  • 並列計算と共有または分散メモリシステムを使って広範な複雑問題を解くための活用されるLinuxベースの大規模SGI計算プラットフォーム
  • 8テラバイト(TB)のキャッシュコヒーレントの共有メモリを持ち合計1,024コアのIntel Xeon E5-4600 v2プロセッサを搭載したSGI UV 2000対称型マルチプロセッシング・システム(SMP)
  • SGI ICE X分散メモリシステムは144ノードのクラスタで、3,456コアのIntel Xeon E5-2600 v3を搭載
  • ノード間高速接続はInfiniBand 4x FDR
  • 大容量ストレージは500TBのLustreファイルシステムをと288TBのデータバックアップを持ったSGI InfiniteStorage 5100

さらに一般的には「ビッグデータは全体的な事業を運営することにおいてさらに重要となってきており、組織は企業全体をサポートするHPCを利用する方向に向かっています。」とBrahamは語った。