HP、「Machine」のロードマップからメモリスタを除外
Tiffany Trader

ヒューレットパッカードが「The Machine」と呼ばれるその野心的な「これが全てを変える」プロジェクトを開始してから1年経過後に、来年までに動作するプロトタイプを出荷するために必要であるということで、同社は初期のビジョンにある譲歩をし始めている。
昨年のHPC Discoveryイベントで鳴り物入りで発表したこの”Machine”は、データ時代のコンピューティングの再発明であるべきだった。それはあらゆる面で特別だった。特殊なコア、不揮発性システム用に最適化された専用のオープンソース・オペレーティング・システム、そしてセンターピースはストレージとメモリの両方として機能する特殊型レジスタ回路であるメモリスタ不揮発性メモリだ。
現在、この特殊性の一部はより普通のアプローチのために保留となっている。メモリスタは主な付着点であり、この技術はHPの研究の下で進歩してきたが、量産においては未だに経済的に現実的ではない。
「私達はこのメモリスタにかなり関連させられていたのです。」とFink氏はニューヨークタイムズの記者Quentin Hardyとのインタビューで語っている。「私達は既存の技術の範囲内でこのシステムを動かし続ける事を行っています。」
その傾向の中で、HPはプロトタイプにDRAMメモリを使うであろうし、そして共有メモリ・プールを不揮発性メモリ、例えば将来のバージョンでは位相変動メモリに変換するだろう。
メモリスタはまだテーブルの上に残っており、HPは今から5年後に市場に登場させる際に、システムの内部に入れることを狙っている。
プロトタイプの機械的モックアップが先日ラスベガスで開催されたDiscovery会議で展示されていた。来年、HPは
320TBの「主記憶」(240TBの共有メモリと演算ノードには80TBのローカルメモリ)、2,500個のコア、および光学バックプレーンを搭載した動作するラックを明らかにする予定だ。これはカスタマイズされたオペレーティングシステムではなく、Linuxのバージョンが動作する。
Moor InsightのPaul Teichによると、概念実証のための演算ノードは、既製のARMv8ベースのSoCを使い、将来のプロトタイプでは他のプロセッサもサポートする予定だ。
特殊処理はオリジナルのアナウンスの特徴のひとつであった。正しいワークロード用の正しい演算は、6倍の性能向上を1/80の低エネルギーで達成することを可能とする、と1年前にHPは言っていた。先日、このMachineを「メモリ駆動型演算アーキテクチャ」として再位置付けしているので、メッセージは高速メモリでより低い処理電力の民主化によりフォーカスしている。電力効率の高いメモリはエクサスケールのような演算マイルストーンの達成のために重要であるが、それは現状から革命的なMachineを作る単一のプロジェクトにコンポーネント技術を合成することであった。
「革命的に新しいコンピュータ・アーキテクチャ…これはすべてを変えます。」とは、この会社のCEOであるMeg Whitmanがこの合流を特徴付けたものだったのだ。
スケールダウン計画にも関わらず、HP研究所の副所長であるAndrew Wheelerは「すべての面で大きな進展」に満たされた「それは素晴らしい1年であった」と主張している。
「来年の第一の目的は、Machineの最初の動作するプロトタイプを作ることです。これは私達にとってとても重要なのは、このプラットフォームを使って研究を続けるだけでなく、内部開発チームやパートナーも利用できることで、我々のメモリ駆動型計算アーキテクチャを進めることができるからです。」とWheelerは語った。
Discovery 2015において、HPのシステム研究プロジェクトマネージャであるSarah Anthonyは、メカニカルモックアップを指しながら、Machineの平坦化メモリ・アーキテクチャについて取り上げた。「この1ノードのボリュームの中に、数テラバイトのメモリと毎秒数百ビットの帯域幅を持ったノードがあり、とても重要なのは私達がI/Oとは何かを変えたことです。それはI/Oではありません、メモリ・パイプなのです。」と彼女は語った。
「これはウルトラスケール解析への大きな基盤を提供しますが、システムソフトウェアに重大な影響を及ぼします。それを考えると、Machineの本質的特徴は、メモリの面での大規模な容量、驚異的な帯域幅、そして非常に低いレイテンシーとなります。このため、オペレーティング・システムとその上のソフトウェア・システムを変更せざるを得なくなります。」とHPでMachineのシステム・ソフトウェアのディレクターであるRich Friedrichは続けた。
HPの設計計画上のさらなる情報については、Discovery 2015のパネル・プレゼンテーションである「HP研究所提供、Machineのボンネットの下を覗く、未来のコンピューティング」が下記のから見る事ができる:
「Machine用のシステムとアプリケーション・ソフトウェアを再イメージする」と題されたHP研究所のもうひとつのプレゼンテーションでは、HPの主任研究員であるKimberly Keetonが、Machineの定義されている機能をカバーし、システムソフトウェア、プログラミング・モデルおよびアプリケーションの関連性を検討している。また、Machineの「何かを共有」アプローチの概要を含んでおり、全て共有と非共有モデルの間の中道を表している。