HPCウェールズ、分散スーパーコンピューティングネットワークを構築
Alex Woodie

ウェールズの企業、学校、その他の組織は現在、今年初めにHPCウェールズによって発表された新分散スーパーコンピューティングネットワークの成果であるHPC資源へアクセスしている。 グループは、このネットワークはその種としては英国で最初のものであり、そしてウェールズの研究者に恩恵をもたらすだけのもので無く、教育でも役立つと言う。
HPCウェールズの新しいスーパーコンピュータネットワークは、高速リンクで接続されているウェールズの大学、企業、研究センターに配置された一連のクラスタ群で構成されている。 ネットワークは、HPCウェールズのテクノロジープロバイダーである富士通によって部分的に管理される。
クラスタは、2つのハブと3つのTier-1サイトおよび2つのTier-2サイトで構成されている。 カーディフ・ハブは、カーディフ大学カーディフ・データセンターの高度研究コンピューティングに設置されており、「Goldstone」、[Granite」そして「Garnet」の3つの主要なシステムに合計約8,000基のIntel WestmereおよびSandy Bridgeコアを有している。スウォンジー・ハブは、スウォンジーのディラントーマス・センターに設置されている。「Diamond」と「Dravite」の2つのシステムで合計約6,000基のIntel Sandy Bridgeコアを有している。
HPCウェールズは、バンガー大学の「Tiger Eye」システム、アベリストウィス大学の「Opal」クラスタ、およびグラモーガン大学の「Iron-One」クラスタの3台のTier-1システムに小中規模のジョブのために利用できる総数 650 のIntelコアを有している。Tier-2のリソースは約150のIntelコアで構成され、グリンデュア大学にある「Jet」クラスタとスウォンジー・メトロポリタン大学の「Shaman」システムである。また、分散システムの一部は、スウォンジー大学で運用されているIBM POWER7ベースの特殊な分析システムである。
全体のセットアップは、パブリックセクター・ブロードバンド・アグリゲーション(PSBA)を介して提供された専用ネットワークで接続されている。HPCウェールズによると、2つのハブ間で10GBit/秒、そして他のすべてのサイトを接続するために1GBit/秒または100MBit/秒のリンクを備えている。
ウェルシュHPCコミュニティは、ウェールズ政府とウェルシュ欧州資金事務所からの2千4百万ポンドの投資と英国事業革新技能省(BIS)からの1千万ポンドの投資によって可能となったネットワークの立ち上げを記念して5月にカーディフ湾のSeneddに招集した。
イベントで話をしたのは、ウェールズの主席科学顧問のジョン・ハリエス教授だった。 「ハイパフォーマンス・コンピューティングは、今日、英国内または海外との競争をする研究者とイノベーターの両者にとって不可欠なツールです。」とハリエスは言った。
カーディフ大学の教授、デビッド・ウィロックは、新しい分散スーパーコンピューティング・ネットワークは、ウェールズの中小企業によりグローバルな競争力をもたらす、と述べた。 「それは、彼ら[中小企業]が世界の舞台で戦うことであり、このようなリソースを持っていないアメリカやヨーロッパの人々が将来的にこの機能を持つことになります。 ウェールズは、このゲームで先行しており、本当にウェールズにおけるビジネスを助けることになるでしょう。」
HPCウェールズの最高経営責任者(CEO)、デビッド・クラドックによると、ナショナル・スーパーコンピューティング・ネットワークはトレーニングも支援している。「私はアメリカの国立科学財団とのHPCワールド・トレーニング・リンクを発表することをとても嬉しく思います。これは私共のHPCトレーニング・プロビジョンを著しく向上させるでしょう。」と彼はSeneddで語った。
富士通の技術製品グループのエグゼクティブディレクター、マイケル・キーガンもまた幾つかの言葉を語った。「ウェールズだけが、今や羨ましいほどの高性能コンピューティング・ネットワークの拠点では無いが、ウェールズに存在する事業者と研究者の両方が今、厳重かつ局所的にこの革新的な技術にアクセスすることができる。」と彼は言った。
「能力開発プログラムは、ウェールズをHPCの舞台の中心にしっかりと据えるでしょう」とキーガンは続けた。 「個人と専門家の能力開発のために優れた機会を提供し、そして世界クラスの労働力によって支えられる企業競争力を増加させます。」