進化するメモリ市場
Alex Woodie

コンピュータメモリの市場が断続的進化の期間に入っている。それはスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが継続的に成長するのと同様に、モバイルユーザにデータを提供するクラウド・データセンターや通信ネットワークの成長を含むいくつかの勢力の結果として引き起こされている。また、HPCワークロードもメモリの状況変化の中でその役割を果たしている。
伝統的にコンピュータメーカーは、パーソナルコンピュータのシステムメモリとしてDRAMを使用している。 しかし、Chip Designの記事によると、コンピューティング市場はスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスに移行しており、DRAMよりも遅いが安価なNANDベースのフラッシュメモリの出荷が増加している反面、DRAMの出荷台数は平行線を辿っている。
Chip Designによると、NANDフラッシュの売上高は、2008年に118億ドルから2010年には推定181億ドルへ跳ね上がった。今後、NANDフラッシュの売上高は2014年までに231億ドルに増加すると予測されており、今後6年間で113億ドルの増加または6年間で16.0パーセントの複合成長率となると予測されている。
Chip Designによると、同期間にDRAMメモリの売上高は、2008年の236億ドルから2010年の推定423億ドルへ跳ね上がった。 そこから、DRAMメモリの売上高は着実に減少し、4年間で119億ドルの減少、もしくは全体で28%減少し、2014年に304億ドルなると予測されている。
パーソナル・コンピューティング・デバイスのDRAMからNANDフラッシュメモリへの業界の変更は、より広いメモリ市場に影響を与えている。 Chip Designによれば、DRAM業界は、高性能ネットワーキングと同様にHPC市場を含む他の成長分野を見いだすことによって反応した。
このメモリ力学の縮図は、ウルトラブック・ラップトップのレンズを通して見ることができる。ウルトラブックは、長いバッテリ寿命と高いパフォーマンスを提供する洗練されたコンパクトなMacとWindowsのラップトップであるが、大きなノートブックの兄弟機種より少ないDRAMメモリ(典型的には4 GB)を備えている。 多くのウルトラブックはまた、従来のハードディスクの代わりに、大規模なFlashベースの半導体ディスク(Solid State Drive: SSD)ドライブが装備されている。
将来を見ると、DRAMメモリは、ユーザの継続的な要求にしたがって、低消費電力化とともに、高速かつ高記録密度に変化する。 Chip Designによると、現在のDDR4世代の製品の後は、高帯域幅メモリ(HBM)、ハイブリッドメモリキューブ(HMC)やWide I/O IIのような新技術を見ることができるだろう。 これらの技術は、将来の厳しいメモリ要件を叶えるために開発が進められている。
Chip Designによると、NANDフラッシュ分野では、スマートフォン、タブレット、カメラやゲームシステムからの継続的な需要によって、LPDDRおよびLPDDR2から発展段階のLPDDR3技術へと進化を突き進めることだろう。