世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


11月 9, 2015

空調を必要としないもうひとつの国産スーパーコンピュータ

HPCwire Japan

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日本にはもうひとつの国産スーパーコンピュータがあることをご存知だろうか?それは工場が岡山にある。しかし販売拠点はイタリアだ。いわゆる日本とヨーロッパのジョイント・スパコンなのだ。またこのシステムは温水の液体冷却技術を使い、PUEを最大1.05にすると言う。

Eurotech社はイタリアに本社を置く上場グローバル企業であり、日本、ヨーロッパおよび北米に子会社を持っています。Eurotech社のHPC事業部はHPCシステムの設計と製造において15年以上の経験を有しており、共有されたヨーロッパと日本の研究開発活動とヨーロッパの最重要研究センターとの共同研究を通して継続的な技術革新を約束しています。EurotechのHPCでは、名高いAuroraシリーズのスーパーコンピュータを設計し販売しており、これまで様々な最先端の研究および産業のお客様にHPCソリューションを展開し維持してきました。

Auroraはホットウォーター冷却、超高密度実装のグリーンなHPCシステムです。Auroraスーパーコンピュータはエネルギー効率、設置面積、信頼性および性能に優れるように設計されています。直接接触のホットウォーター冷却によって、Aurora HPCシステムは、革新的でモジュラー型のスケーラブルなアーキテクチャをベースとしており、機能性、性能および効率を最大化するために標準の商用部品を使って作られています。

Eurotech社は、直接ホットウォーター冷却のパイオニアであり、ホットウォーター冷却のHPC製品を2008年早々に出した世界で最初の企業となりました。この水冷能力は当社の設計思想の柱であるエネルギー効率によって育んでいる「グリーン」な側面のひとつです。このAuroraスーパーコンピュータはワット当たりの性能の面、そしてデータセンターのPUEの面において世界最高と言うだけではありません。Aurora HPCシステムをインストールすると、どの気候帯においても空調なしでデータセンターを運用することができるのです。

Eurotech HPCはヨーロッパと日本のベンチャーです。岡山に本社を持つEurotech社の日本法人であるアドバネット社は、Aurora製品のコアとなるHPCマザーボードの設計において長い経験を持っています。アドバネット社はAurora TigonやAurora Hi√eのようなシステムを非常に高信頼に製作する品質へのこだわりを持っているのです。

アドバネット社の仕事は重要です。組込電子機器にそのコアコンピタンスを活用することで、アドバネット社の研究開発はHPCにおいて非常にユニークなオリジナルのボード設計を研究しており、エネルギー消費と密度の面で最高の結果を実現しています。設計を社内で行うことで、Eurotech社は比類のない密度で、ボードに合った直接液体冷却を組み込むことができるのです。(Aurora HiVeシステムの性能は設置面積平米当たり1.5ペタフロップス)

Eurotech_Cluster_and_Booster

スーパーコンピューティング製品のベンダーであることとは別に、Eurotech社は、DEEP (Dynamic Exascale Entry Platform)、DEEP-ER、QPACE2などの先端的なHPC研究プロジェクトの主要なエンジニアリング・パートナーでもあります。これらの共同研究の成果によってブレークスルーな製品設計が行われ、Eurotech社が新しく特徴的なHPCアーキテクチャとHPC技術における進歩を披露することができるのです。(APEからQPACE2において、Eurotech社は”歴史的な”マイルストンの長い歴史を持っています)

国際研究開発へのこの継続的な貢献と日本の研究所との緊密なコラボーレションによって、Eurotech社は、科学および産業界の研究組織が将来直面するであろう困難なエクサスケールの問題への取り組みを手助けしたいと考えています。