世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 3, 2015

TACC、ゴードンベル賞受賞者と話す

HPCwire Japan

Staff Writer

毎年11月のSCの文句無しのハイライトのひとつは1987年以来、科学、工学、および大規模データ解析における並列計算の最も革新的なアプリケーションを認めるハイパフォーマンス・コンピューティングにおけるACM Gordon Bell賞である。今年、賞金1万ドルの栄誉を掛けて、5つの素晴らしい研究活動が競争したが、たった1つがオースティンの受賞式で優勝した。

今年の賞は、テキサス大学オースティン校、IBMリサーチ、ニューヨーク大学およびカリフォルニア工科大学の科学者チームによる、ローレンスリバモア国立研究所のIBM BlueGene/Qである「Sequoia」上でほぼ160万コアまでスケールしたインプリシット・ソルバーの設計に送られた。このブレークスルーは、マントル対流と関連するプレート構造地質学(地震、火山、山の形成および長期の海面変化を制御するもの)を理解するための新しい時代を開くものだ。

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「私達は、最適なアルゴリズムの性能を発揮し、マントル対流のような困難なPDE問題のためにエクストリームなスケールをする能力を持つ新しいインプリシット・ソルバーを紹介します。」と“An Extreme-Scale Implicit Solver Complex PDEs: Highly Heterogeneous Flow in Earth’s Mantle.”と題された彼らの論文に記述されている。高度な機能セットが巨大なスケーラビリティの課題を提起し、そしてこのチームは、「(常識に反して)アルゴリズム的に最適なインプリシット・ソルバーが、シビアに非線形で、悪性の、ヘテロで異方性のPDEのために150万コアまでスケールするように設計できることを示した。」

このチームのソルバーはSequoiaのすべての1,572,864コアまで97パーセントの並列効率でスケールしており、論文中の図5で報告している。この方法によってこのチームは、「これまでにない精度で地球全体のグローバルな瞬間のマントルフロー」をシミュレートできるようにしたのだ。

IBM BlueGene/Qの「Sequoia」における彼らの有力な業績に加えて、このチームはまたこのシミュレーションをもうひとつのBG/Qシステムで約50万コアを持つユーリッヒ研究センターのJUQUEENで実行した。彼らはアルゴリズム。ソルバーおよび「Stampede」上での科学的結果可視化を開発した。テキサス先端計算センター(TACC)に設置されている、このDell PowerEdge Xeon Phiで加速化されたクラスタはオープン科学研究のための世界で最も強力なマシンのひとつである。

TACCのサイエンスライターであるJorge Salazarにホストされた新しいpodcastの中で、2人のGordon Bell賞受賞者(テキサス大学オースティン校計算工学および科学研究所のJohann RudiとOmar Ghattas)が、StampedeとSequoiaを活用してこの画期的な研究を導き出した彼らの活動について話している。彼らはまた、コミュニティからのフィードバックを取るプロセスにあるオバマ大統領のNSCI構想にこの研究がいかに適合するかコメントしている。

このPodcast次で聞くことができる。https://www.tacc.utexas.edu/-/sc15-acm-gordon-bell-prize-winners-supercompute-deep-earth