CAEジョブをゾンビ・コンピューティングから解放
Tiffany Trader

デスクトップ・エンジニアリングにおいて、Kenneth Wongは「The Zombie Computer Survival Guide,」(ゾンビ・コンピュータ・生存ガイド)または「シミュレーション用にHPCを購入する際に考慮すべき事項」を出版している。
Wongは、「遅かれ早かれ、先端的CAEソフトウェアはゾンビ・デスクトップ・コンピュータの侵略に直面することとなるだろう。」と書いている。複雑なシミュレーションのジョブを実行することを強いられた力不足のデスクトップ・コンピュータが、生と死の間を彷徨いながら行き詰まりに近づいた時、これは避けられないポイントだ。
IBM Platform Computingを代表として最近行ったデスクトップ・エンジニアリングに関する読者アンケートにおいて、1,000超えた回答の39パーセントは、もっぱらアプリケーションはワークステーション上で実行すると回答した。対して11パーセントだけがクラスタを独占的に使っている。シミュレーションは、完全なシステム(60 %)、大きな組み立ておよびモデル(58%)、部品および小さな組み立て(52%)など様々な範囲で実行されている。Wongによると、多くのハイレベル・シミュレーションがワークステーションで実行されていることをアンケートの結果は示しており、多くの参加者がゾンビ・ワークステーション症候群をあまりによく知っているかもしれない。
Wongはこの非効率に取り組む2つの方法を示唆している。
1. CAEジョブに取り組めるように組織内のクラスタを設定し、ワークステーションを解放しなさい。
2. 遠隔のクラスタかオンデマンドのクラウド・コンピューティング・ベンダーにジョブを預けないさい。
Wongによれば、もちろん、これは古い形の購入またはレンタルのパラダイムだが、追加でコンピュータ資源を購入する際に、そんなに明らかでない選択を導く注意すべき新しい進展がある。
ひとつの決定事項は、オープンソースか商用のクラスタ管理ソフトウェアを選択することだ。通常、ここでのトレードオフは、安い(無償)コストのオープンソース・バージョンは一般的により多くの専門知識を必要とすることだ。しかし、ジョブ・スケジューリング・オプションについては、Wongはシミュレーション・ソフトウェア・ベンダーによって認可される商用ソリューションで行く事を提言している。
HPC基盤に投資をする意志がない、または時々余分の活力を必要とするだけの企業は、新世代のオンデマンド・クラスタを見たいかもしれない。例えば、RescaleはCAEセクターをターゲットとしたHPC・クラウド・シミュレーション・プラットフォームだ。
この種のHPC向けの入り口は、このテクニカル・コミュニティ向けに特に良いアイデアかもしれない。それは、先の読者アンケートによると、回答者のたった18パーセントがHPCの利点に精通していると回答しているからだ。
WongはまたWindowsかLinuxかについてもカバーしている(どちらもそれぞれメリットがある)、インターコネクトの速度とコア数またはノード数とのバランスの必要なこと(パフォーマンスのボトルネックに注意すること)、そしてGPUでの高速化アプローチ(NVIDIAの新GRIDシステムへの賛辞)だ。
彼のまとめの結論として、Wongは「複雑なCAEジョブは常に個々のワークステーションの限界を試験しています。これらのジョブが実行されている時には、CPUに対する負荷は重要です。」と書いている。メーカーが競争的優位に立つためにデジタルシミュレーションの限界に挑むように、CAEクラスタはオンサイトにしてもオフサイトにしても、ゾンビ・フリーの将来を約束している。