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6月 9, 2015

CPUベンチマーク: Haswell対POWER8

HPCwire Japan

Tiffany Trader

OpenPOWERの活動が立ち上がりと、将来のDOEマシンであるSummitとSierraのIBMの重要な役割において、IBMのPOWER CPUがインテルのx86 Haswell CPUに対してどのくらい積み上がってきたか見るのに良い時だろう。

今日の金融アプリケーションの演算集約型の特質をあげて、Xceleritの高速化の専門家が、普及している金融ワークロードでXeon HaswellとIBMのパワーハウスを比較しようとした。「Haswell」はPOWER8チップの2倍の最大性能を歌っているが、チップを彼らの実世界のペースに置く事は、新しい洞察を明らかにする役に立つ実験である。

20150602-S1-Xcelerit-Haswell-v-POWER8

この試験は次のシステム構成で、インテルのXeon E5-2698 v3 (Haswell)とIBMのISeries 8286-42A (POWER8)プロセッサを使って行われた。

CPU: 2x Intel Xeon E5-2698 v3 (HT on) および2 x POWER8 8286-42A (SMT on)
OS: RedHat Enterprise Linux 6.6 (64bit)
メモリ: 256GB
コンパイラ: Intel Compiler 15.0およびIBM Compiler 13.1

金融業界で有名なこの試験アプリケーションはモンテカルロ・シミュレーションを使ってLIBORスワップションのポートフォリオの価格付けを行い、同時に最初の先物相場へのオプション価格の感受性を計算する。「ギリシャ指標」として知られるこの最初のオーダーデリバティブはヘッジとリスク分析に関して不可欠である。可能性のある数千のパスがシミュレートされ、次に価格とギリシャ指標が全てのパスに渡って平均化され、最終的な結果(平均価格と平均ギリシャ指標)を得る。

エンジニアリング・チームはこのアプリケーションを「最大最適化設定、高速演算モード、および標的プロセッサ・アーキテクチャへのチューニング」でコンパイルを行った。彼らは、ベクトル拡張、融合積和演算命令およびキャッシュの最適化を含む低レベルのプロセッサ機能を活用したコードを生成していると指摘している。

15のトレードと80の先物LIBORレートをシミュレートするタスクにおいて、各試験マシンは80のギリシャ指標の値とともにポートフォリオの価格を計算した。エンジニアリング・チームは単精度、倍精度の両方のモードでの乱数発生ステップを除いた
全体の実行時間を記録した。

このXceleritのグラフはPOWER8に対するHaswellの相対的性能をプロットしている:

20150602-S1-Xcelerit-power_vs_haswell-chart

インテルのCPUは単精度では3.7倍高速な性能を示したが、より一般的に金融演算では必要とされる倍精度においては違いは1.5倍に縮小される。

チームはこの結果に対して次のように指摘している、「単精度および倍精度モード間におけるこの大きな性能の差異は、Haswellにおけるこのアプリケーションのレイテンシーに基づいた性質によって説明されます。単精度においては、キャッシュに2倍のデータを載せる事ができます。この結果として、Haswellのベクトルユニットを高い効率で使用することができ、性能が向上するのです。」