11月 14, 2013
従来の原子磁石の約10億倍の情報保持時間を観測
東京大学物性研究所は11月14日、ホームページにて原子1個に記録された磁気情報を長時間保持するためのメカニズムを解明したと発表した。
発表によると、これまでに報告されている1個の原子磁石では情報を保持できる時間が1マイクロ(0.000001秒)以下と非常に短く、実用化は困難とされていた。今回の発表では、東京大学物性研究所宮町俊生助教を中心とした国際共同研究チーム(日本・ドイツ)は、原子1個の磁石としての性質である磁気モーメントの大きさと原子を塗布する表面の組み合わせが原子磁石の情報保持時間を高める鍵であることを突き止め、最適な条件を満たす白金表面上のホルミウム原子磁石の情報保持時間を実際に測定したところ、10分以上情報を保持していることを確認した。
この成果により、将来の次世代情報ストレージ技術への応用や、原子磁石を用いた新方式の量子コンピュータ実現の可能性が期待できるとしている。
(ソース:東京大学物性研究所)