世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 23, 2014

NERSC、スパコンでエネルギー研究を加速

HPCwire Japan

Tiffany Trader

Oak Ridge National Laboratory (ORNL) の科学者は、頁岩からガスや石油の抽出の効率的な方法を開発するためにDOEのスーパーコンピュータや中性子走査技術を使用している。彼らは、DOEのEnergy’s National Energy Research Supercomputing Center (NERSC) のシステム(HopperシステムやEdisonシステムなどのスーパーコンピューティング資源を含む)を使用して、微細孔の径のような特性が天然ガスの抽出にどのような影響を与えるのかを理解するためにガス・石油鉱床の構造を研究している 。

この研究は、より効率的な抽出技術、クリーンな石炭ベースのエネルギー生産そして改良された炭素の貯蔵・隔離技術の確立に向けた重要なステップと考えられている。これはORNLの高フラックス同位体原子炉の計器科学者のYuri Melnichenko氏の視点である。

Melnichenko氏はORNLのMaterials Science and Technology Division Researchチームの一員であり、シェールの2次元画像を分析することにより重要な手がかりを探している。彼らは、中性子小角散乱装置と電子顕微鏡を組み合わせて、微細孔の径サイズの役割を調べるための技術を開発した。この有望な研究はJournal of Materials Chemistry Aに投稿されたの最近の論文に記載されている。

科学者たちは、高フラックス同位体原子炉の汎用中性子小角散乱機器を用いて、ナノ多孔質カーボンに存在するとこれまで考えられていたよりもはるかに高い局所構造秩序を発見した。そこで科学者は、炭素原子の局所的な構造に基づいた改良モデリング手法を開発する次のステージに進んだ。

「我々は最近、微細孔の径が吸着に与える影響を予測する効率的な方法を開発しました。」とチームメンバーであり共著者のJames Morris氏は述べている。 「しかしそれらの予測は検証を必要としますが、最近の中性子小角散乱実験はそれに最適です。実験はまたさらなる計算を必要とし、まだやるべきことは沢山はあります。 」

この実験から得られた知見は、エネルギー貯蔵に向けた今後のナノ多孔質材料の設計・開発にとって重要な意味がある。それは問題となっている温室効果ガスの捕捉と隔離のための途方もない朗報をもたらす事であろう。それ以外にも、水素貯蔵、薄膜ガス分離、環境修復、および触媒作用などへの諸々の応用が考えられる。