世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


3月 19, 2014

HPCワークロードのエネルギーコストをシミュレートする

HPCwire Japan

Carlo del Mundo

今日の計算世界においては、データセンターにおけるエネルギーおよび電力効率はシステムを所有する全体コストを削減するのに重要だ。エネルギー効率は非常に重要で、データセンターを運用するためのエネルギーコストは初期投資額を遥かに上回る。

コスト削減に加えてエネルギー効率の改善は二酸化炭素排出を低く抑えることになる。EXPECコンピュータセンターのシステム・スペシャリストであるOmar Al-Saadoonは、「石油を燃やして1メガワットの電気を作ると年に8,000トン近くのCO2を生成することになります。」と語る。要するに、運用コストを削減するためのシステムのエネルギー効率性(または非効率性)および環境についてデータセンターのスペシャリストは学ぶ必要があるのだ。

エネルギーとグリーンを意識した計算手法を促進するために、Al-Saadoonと彼のチームは負荷のエネルギーコストの直観的視点を提供するシミュレーション・フレームワークを開発した。彼の目標は、「シミュレーションを行うエンジニアが、彼らが流すシミュレーションによる環境への影響をより評価ができるようにし、結果的にグリーンを意識させる」ことだ。

彼のチームは3か月間のコースにおいて、1024演算ノード上における炭化水素貯蔵所シミュレーションのエネルギーと電力特性を収集した。全体として、データセンターレベルでのエネルギー利用の洞察を提供し、二酸化炭素排出のような環境基準をジョブ単位に取り入れるのだ。

データセンターにおけるエネルギー利用は2つのグループに分けられる:サーバとサポート基盤である。サーバは物理的な計算システムであり計算を行う。サポート基盤は冷却装置、照明設備、UPSバッテリー、インターコネクトおよびAC/DC変換装置のようなコンポーネントを含んでいる。一般的に、サポート基盤はデータセンターを運用する全体コスト意に対して重要なコンポーネントを追加する。実際、データセンターの効率性は、物理的計算システムとサポート基盤の両方について電力利用効率(PUE)と呼ばれる手法を使って計測される。

PUEはサーバと基盤の電力を合わせたものだ。PUEの値が2ということは、サーバの電力で1kWh使う毎に、さらに1kWhが空調、照明と他の基盤に必要ということだ。もっとも効率的なPUE値は1に近づくことだ。サポート基盤にほとんど電力を必要としない理想的な環境ということだ。