世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


3月 27, 2014

新しい研究が異種3Dチップの設計を進展

HPCwire Japan

Tiffany Trader

トランジスタが小型化の限界に近づくように、マイクロプロセッサ業界の進歩の急速なペースは、研究者が革新的な代替的な設計に成功しない限り衰退し始めるように運命づけられている。我々の時代の最も優れ、最も明るいな頭脳は、スーパーコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、世界規模の通信システムに極めて重要な次世代のマイクロプロセッサを開発する仕事に励んでいる。これらムーアの法則復活を拡張する専属の研究者の一人は、Stony Brook大学のコンピュータと電気工学の助教授、Emre Salmanである。

Stony Brook大学のナノスケール回路&システム(NanoCAS)研究所も指導するSalmanは、国立科学財団(NSF) から資金提供を受けて、異種3次元(3-D)統合と呼ばれる手法に磨きをかけている。複数ウェハーを垂直に積層させるこの新しい技術は、現在の二次元チップよりもより少ない電力消費で、より高い性能を提供する可能性を有している。

「回路基板上の今日の典型的な電子システムは、ミリメートルやセンチメートル規模のワイヤで接続された複数のチップで構成されています。」と彼は説明する。「これらの扱いにくい接続は、回路の速度を低下させるだけでなく、電力を消費し、システムの信頼性を低下させます。」

3-D技術では、層と呼ばれる個々のチップは、パッケージ化される前に互いの上に積層される。「層間の通信を実現する垂直接続は、今、マイクロメートル規模にあり、3-D製造技術の進歩でより短くなっても、それによってより少ない電力消費とより高い性能を提供します。」とSalmanは説明する。「基本的に、3-D技術はより小型のフォームファクターでより高い異種統合を可能にします。 」

そのアプローチは、複数の面を単一ユニットとして調和して動作させることのような課題が無い訳ではない。研究者は、3-Dチップ技術の開発に取り組んで10年以上を費やしているが、Salmanは、ほとんどのプロジェクトはマイクロプロセッサのような高性能でかなり単質なチップに焦点を当てていると言う。

その分野の指針を提供する国際半導体技術ロードマップ(ITRS)の2011年版では、「3-D技術の第3段階と長期的なアプリケーションは、高い異種統合を含み、そしてそこでセンシングと通信の水準は、従来のデータ処理とメモリの水準で積み重ねられています。」と言う。

この長期的なアプローチは、Salmanと彼のチームが焦点を当てているものである。これは、高性能コンピューティングから伝統的な汎用プロセッサの範囲を超えて能力を持つ比較的低電力なシステムオンチップ(SoCの)まで、3次元領域が拡張されるだろう。その結果は、単一3-Dチップ内へセンシング、処理、ストレージ及び通信を含む複数の機能の統合である。言い換えれば、単一3-Dチップは高度なアルゴリズムを使用することでセンシング、処理およびデータ保存する能力を有し、そしてその後別の場所へ無線でデータを送信するだろう。

「重要なコンピューティング資源を提供しながら、より小型なフォームファクタは、より低い電力を達成することができるため、とても多くのアプリケーションがヘルスケア、エネルギー効率的なモバイルコンピューティングおよび環境制御の分野に存在しています。」と彼は言う。「私たちの基本的な目的は、ますます移植性に優れ、環境と相互作用することができ、低消費電力で、尚且つかなりの計算能力を提供する将来の電子システムをホストするこれらのアプリケーションのための信頼性の高い3次元解析と設計プラットフォームを開発することです。」

Salmanは、5年間のプロジェクトのために453,809ドルの資金を提供するNSF教員早期キャリア開発(CAREER)賞の受賞者である。CAREERプログラムは、教育と研究の統合を促進する有望な職歴を持って若手教員を承認する。