液浸冷却、グリーンエネルギーソリューションとして浮上
Tiffany Trader

ムーアの法則の進行が鈍化しているのと時を同じくして、データを処理するための需要が過去最高となっている。世界の全データの90%強が過去2年間に作成され、データセンターが米国全体の電気使用量の2%を費やしている。最適な稼働温度でそれらの全ての倉庫規模なサーバーファームやスーパーコンピュータを維持することは、経済性と環境的見地から費用がかかる。ニューヨークタイムズの最近の記事によって強調されたように、課題はコンピュータを湯水のごとく使う多くの大企業にある。
日本は、エネルギーへの懸念が特にモチベーションとなっている。日本は2011年3月の地震と津波と福島第一発電所でのその後に起きたメルトダウン以来、これまで減少した電力供給で運営している。防護措置として、国はそのほかの原子力施設の出力を制限し、電力供給を削減した。
エネルギー予算が抑制され、大きな電力需要を持つ組織では、創造性を発揮する必要に迫られた。東京工業大学の場合もそうであった。大学の管理当局は、上限つきの電力供給を持っていたが、しかし同大学はより多くのスーパーコンピューティング能力を必要とした。かくして油冷のTsubame KFCのアイデアが生まれた。スーパーコンピュータは、テキサス州オースティンを拠点とするGreen Revolution Coolingによって開発されたCarnotJetと呼ばれる鉱物油系冷却ソリューションを採用している。昨年11月、Tsubame KFCは、その類いの中で最もエネルギー効率の高いマシンとしてGreen500リストによって宣言された。システムは、同じエネルギー消費量の古いマシンよりも50パーセントも強力である。
イギリスのシェフィールドに拠点を置く新興企業、Iceotope等の宇宙に関係する他の企業は、むしろ油よりも、液体フッ素プラスチックの使用を推進している。別のベンダー、香港を拠点とするAllied Controlは、Bitcoin発掘のための500kWデータセンターのために3Mの「受動二相液浸冷却システム」を使用した。
液体冷却は新しくない。空気に比べて、液体はより良い熱伝導体であり、より高い熱容量を有するため、より効率的な冷媒である。事実、液体が空気よりも熱を除去するために約4000倍効率的であると推定される。
象徴的なアメリカのスーパーコンピュータメーカーCrayは、1980年代に遡って液浸冷却を使用したが、その手法がコスト的懸念とオゾン層破壊で知られた時代の冷媒でもあるため完全に捉まえることは無かった。エアコンとパイプベースの水冷の組み合わせは、「十分に良い」仕事をし、データセンター構築の費用と複雑さを減少させた。
今、局面は再び浸透冷却を魅力的にするために整った。スーパーコンピュータセンターは、簡単にエネルギーの請求に年何百万ドルも費やすことができる。最大の企業データセンターにおいては、費用は年数億ドルの運営経費を要し、さらに上がっている。どちらの場合も、エネルギーと冷却コストへ行く請求の50%になることも珍しくない。
Green Revolutionの最高経営責任者、Christiaan Bestによると、この時点で、浸透冷却はデータセンターよりも多くのスーパーコンピュータで行われており、企業は実験によりオープンになる傾向がある学術界の人々よりもよりリスクを嫌うことを示唆している。
「もし、私たちが歩きよって、『あなたのデータセンターをそのまま油の中に浸してはどうですか?』と言うとしたなら、想像できるでしょう。そして、あなたは指摘するように何かとても堅実なものを持っている必要があります。 」とBest氏は言った。
そして、まだGreen Revolutionの方式は、米国国防総省の施設を含む幾つかのデータセンター配備の一部となっている。Intelによって実施されたシステムの1年間の研究では、サーバーは何ら悪影響を被っていないことが分かり、消費電力は大幅に下落した。