世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


9月 12, 2013

スーパーコンピュータは未来を予測できるか?

HPCwire Japan

Tiffany Trader

ビッグデータの時代、スーパーコンピュータが戦争、革命、その他の社会的混乱を予測する道筋にあることを知って驚くだろうか? データ科学者のKalev Leetaruは、予測スーパーコンピューティングの新たな分野の第一提案者の一人である。彼の研究は「ペタスケール人文科学」の時代の先駆けの一助となり、そこでは十分に大きなデータリポジトリが用意されている場合にコンピュータが有用または興味深いパターンかを特定できるのだ。

ワシントンD.C.のジョージタウン大学に駐在するYahooのフェローで、かつてイリノイ大学の人文科学、芸術と社会科学におけるコンピューティング研究所に所属していたLeetaruは、各項目が翻訳され、地理と風潮でタグ付けされた30年に及ぶ世界中のメディアからの1億以上の記事コレクションを蓄積した。Leetaruは、100兆の意味関係によって接続された100億のアイテムを使ってネットワークを作成し、Nautilusと呼ばれる共有メモリ型スーパーコンピュータを使ってデータ分析を行った。

30年間の世界中のニュース・アーカイブは、Culturomics 2.0と呼ばれる2011年の研究の一部であった:時間と空間の中での世界的なニュースメディアの論調を用いた大規模な人間の行動を予測。調査結果は印象的であり、ある程度の予測能力を示しており、それは偶然で説明するよりも大きかった。予測可能な出来事として、エジプトのムバラク大統領の排除を含むチュニジア、エジプト、そしてリビアの革命が含まれている。言語資料もサウジアラビアの安定期間を正しく予想した。

Leetaruは、信頼のおける程度にアラブの春のような主要な激変を予測することが可能だということを意味している。

「これは、天気予報のようなものです。」と最近のKernelの記事で彼はで述べている。「明日70%の降水確率は、それは雨ではないかもしれない事を意味し、しかし傘を持った方がよく、何故なら雨になる条件もあるためです。」

これまでのところ、これらの「予言」のすべてはイベントが既に発生した後に行われている。しかし、それは他の予測モデルがいかに正確性のために綿密に調べられているかと同じことだ。本当のテストは、まだ起こっていないイベントを予期することだ。

Kernelの記事から: 「Leetaruは世界的な紛争を予測する機会をスーパーコンピュータに与えるべきであると考えています。何故? それは人類が主要な世界の出来事を予測することにコンピュータよりも劣っているからです。アラブ世界の激動の中で、最初の敗北者は独裁者ではなく世界中の政治学者でした。彼らの誰もが、それが起こることが分かりませんでした。」

しかし、彼らがそれを分かっていたとしても、その後は何を? その影響は、2002年のトム・クルーズ主演映画「マイノリティ・リポート」に傾聴して、SF映画が怖いなどと言うに及ばず、驚愕に値することだ。2つの質問が心に残る:もし、誰かが犯罪をおかそうとしていたことを知っていたとしたら、どうだろうか? 我々はその知識で何をするだろうか? そして確実性が何パーセントであれば訴訟可能だろうか?