世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


3月 31, 2015

ExaScaler-1がさらに電力性能を向上させ、世界第一位相当の値を計測

HPCwire Japan

ExaScaler社PEZY Computing社が共同で開発ている液浸冷却小型スーパーコンピュータ「ExaScaler-1」が、直近のソフトウェア実装最適化によって25%を超える性能改善を実現し、高エネルギー加速器研究機構に設置して運用されている「Suiren」を用いた最新の計測実験で、昨年11月に発表された最新のスパコン消費電力性能ランキング「The Green 500 List」の世界第一位に相当する性能を計測したと発表した。

ExaScaler-1は、PEZY社の1,024コアの低消費電力型メニーコアプロセッサ「PEZY-SC」と、ExaScaler社が開発した新液浸冷却システム「ESLC-8」とを用いて共同開発した小型スパコンだ。「ExaScaler-1」を用いて構築されたKEKの「Suiren(睡蓮)」は、理論性能395TFlopsのコンパクトな設計であり、昨年11月に発表されたスパコン性能ランキングTop500では、178.1 TFlopsで369位にランクイン、Green500では1ワットあた4,946MFlopsを記録して世界第二位に認定されている。

今回、牧野 淳一郎KEK客員教授(理化学研究所計算科学研究機構粒子系シミュレータ研究チームリーダー、エクサスケールコンピューティング開発プロジェクト副リーダー)の協力も得て、ソフトウェア実装の最適化を図ったことで、昨年11月時点と比較して25.5%の消費電力性能の改善が実現され、本年3月19日に1ワットあたり6,217MFlops(演算性能としては前回を13.8%上回る202.64TFlops)の値が計測された。これは、昨年11月に発表された最新のスパコン消費電力性能ランキング「The Green 500 List」の世界第一位に相当する値。

この結果は、本年6月に締め切られ、7月12日から16日にドイツのフランクフルトで開催さる国際学会「ISC (The Event for High Performance Computing, Network and Storage)」で発表される本年前半のGreen500には、これらの計測結果をもって申請が行われる見込みだとしている。

20150331-J1


ソース:株式会社ExaScaler/株式会社PEZY Computing