インテル、ブラックリストでも中国への投資は衰えず
John Russell

インテルは中国のトップのスーパーコンピュータのサイトへの先端技術の販売を禁止されているにも関わらず、中国とのハイエンドの協力を強化している。4月21日、インテルは中国科学院(CAS)と共同で初のインテル・並列計算センターを中国に開設し、中国で広く公開された式典を行った。
「これは主要な科学コードに関する最初の2か年共同研究ですが、特に世界中の科学者が利用しているLAAMPS(大規模原子/分子超並列シミュレータ)に関するものです。」とインテルのデータセンターグループの副社長でワークステーションおよびHPCのゼネラルマネージャであるCharlie Wuischpardは述べている。
このイベントは米国内ではほとんど報道されなかったが、中国内では、深圳でのインテル・デベロッパ・フォーラムをハイライトする4月7日付(インテルは中国における新製品、投資および協力関係の30周年を祝った)のリリースの中で、この新しいIPCCの通知を最初に投稿した全国放送で広く取り上げられた。この新しいIPCCのことを知らないで、HPCwireは4月8日付で複数の中国のスーパーコンピューティング・センターが、「米国からハイテク」をこれらのサイト(4つの中国のスーパーコンピューティング機関が米国のブラックリストに載った)に販売することを阻止する米国の「拒否リスト」に掲載された記事を投稿したのだった。
インテルは米国の行動に対してコメントを避けているが、Wuischpardは次のように語った。「一般的にHPCは中国において大規模で成長する存在であり、インテルはこれらのお客様にサービスを提供することで協力関係を築くことを約束しております。CASはとても影響力のある科学技術の研究機関であり、多くの分野における多くの先端的な研究者の拠点でもあるので。私どもは彼らが提案した研究の品質だけでなく、研究者やリソースの大規模なエコシステムへのコネクションのためにCASを選択したのです。」
政治はさておき、この新しいIPCCは、並列計算を高度化し、そのメニーコア・アーキテクチャ用にソフトウェアを最適化し、そしてエクサスケール・コンピューティングの準備に向けて世界中で設立するIPCCに関するインテルの着実な進展の一部である。インテルは、幅広い科学分野において、一般的にはオープンソースの科学コードに関して作業するIPCCを4か国に50以上持っている。インテルによれば、この研究作業のほとんどは世界中で広く使うことが可能で、この研究の条件は成果をオープンソース・コミュニティーに戻すことであるとのことだ。
IPCC中国は最新のものであり、CASの計算ネットワーク情報センターの一部でもある。インテル・デベロッパー・ゾーンのサイトにあるリンクは、いくつかの予定されているIPCC中国のプロジェクトと関連する研究者を参照している。抜粋は次の通り:
「この[研究]では、フェーズフィールド法と散逸粒子動力学法(DPD)と名付けられている2つの主流のメゾスコピック・シミュレーション技術にフォーカスしており、効率的なアルゴリズムと、Intel XeonプロセッサとIntel Xeon Phiコプロセッサをターゲットとしたコードを開発します。また、インテルのメニー・インテグレーティッド・コア・アーキテクチャに基づいた効率的なDPDシミュレーションコードも開発します。」
「ソフトウェアコードの近代化に集中することは、分子動力学では最も広く利用されているアプリケーションであるLAMMPSに対してプラスの影響があるでしょう。LAMMPSは液体、固体、または気体状態中の粒子の集合体をモデル化する古典的な分子動力学コードです。研究者や科学者に私達の基本的な生態やDNAを理解してもらうことで疾患や遺伝的なものを治療できるのです。」
CASのスーパーコンピュータ・センターはスーパーコンピュータの運用と保守、超並列計算の開発とサポート、可視化ソフトウェアの開発、およびその他のサービスを行っている。