世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


4月 7, 2014

空冷式スーパーコンピュータは、世界でグリーンなモノのひとつ

HPCwire Japan

Tiffany Trader

Top 10(エリートクラブに割り込んできたのは唯一の新システム、Piz Daint)には極めて小さな動きしかなかった昨年11月のTOP500リストとは異なり、最新のGreen500リストの上位階層は、新規参入者だけで満たされていた。ほとんどは水冷であるが、2位の座をWilkesという名前のケンブリッジ大学のエネルギー効率的な空冷スーパーコンピュータが獲得した。

TOP500リストのように、Green500リストは、システムを評価し、比較する基準を参照するための重要なポイントをコンピューティングコミュニティと他のHPC関係者に提供する。TOP500は、システムがLINPACKベンチマークをどのように実行するかに関わるところであり、Green500はそれらと同じシステムを取りあげ、エネルギー効率によってそれらを再度ランク付けする。性能(FLOPS)の代わりに、Green500はワットあたりの性能を反映する。

2013年11月の時点で、すべての中で最もグリーンなマシンは、東京工業大学のTSUBAME-KFCであった。最もGreen500なチャンピオンのように、TSUBAME-KFCは、液体冷却のいくつかの方法を使用し、この場合、油浸技術が使用している。2位の完走者、しかしながら、Wilkesは、世界で最もエネルギー効率の高い空冷システムであると言う栄誉があり、ワットあたり3.6 Gigaflopsの性能を有している。

日本の油冷なTSUBAME-KFCスーパーコンピュータによって最高位は逃したが、3.6 GFLOPS /ワットは、空冷システムとして顕著な成果である。2013年6月のGreen500のスターであり、ワットあたり3.2 GFLOPSの効率を達成したCINECAの水冷式Euroraシステムの効率を、英国のクラスタが超えていることにも注目する。

Dell、NVIDIAとMellanox社と提携し、ケンブリッジ大学で11月に配備したWilkesは、英国で最速のGPUパワーのスーパーコンピュータであることだけでなく、英国で最速の学術系クラスタあることの名誉を持っている。

Wilkesは、新しい「SKAオープンアーキテクチャ研究所」の一部としてケンブリッジHPCサービスによってインストールされた。大学のウェブサイト上で、HPCサービスは高いエネルギー効率が2つの主な要因、NVIDIA K20 GPUによって提供されるワットあたりの超高性能とDell T620サーバから取得したエネルギー効率、を辿ることができると指摘する

クラスタは、128台のDell T620サーバおよび256基のMellanox Connect IBカードによって相互接続された256基の NVIDIA K20 GPUをに基づいている。マシンは、LINPACKで240 Teraflopsの能力があり、11月のTOP500リストの166番目の位置を獲得する事ができる。Wilkesは、世界最大の電波望遠鏡を建設する多国籍共同研究、SKAのためのコンピューティングシステム開発を進めるためにSTFCから部分的な資金を受け取った。この取り組みの中心には、今日の製品よりも何倍も強力なHPCシステムが必要となり、世界最大のストリーミングデータ処理のための必要条件である。追加の業界後援の支援は、Rolls Royceと三菱重工業によって提供された。

ケンブリッジHPCS施設は、TOP500の上位半分の内に2つのHPCシステムを持つ栄誉がある。240 TeraflopsのWilkesクラスターとともに、ケンブリッジはまた、Darwinと呼ばれるLINPACKで184 Teraflopsの性能を持つIntelベースのCPUクラスタの本拠地でもある。両方のシステムは、現在、蒸発冷却器とラック背面水熱交換器の組み合わせを使用して超高効率なHPCデータセンター内に収容されている。1.075のスポットPUEで、新しいデータセンターは、既存のものより30パーセント以上のエネルギー効率的である。アップグレードや新規購入は、150%のエネルギー効率向上をもたらした。換言すれば、HPC設備は、同じエネルギー利用で2.5倍の計算出力を産み出す。