世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 1, 2015

2015年 新年を迎えて

HPCwire Japan

いつもHPCwire Japanをご愛読頂き誠にありがとうございます。HPCwire Japanは2013年11月に正式にサービスを開始してから約1年が経過致しました。これまでにFeature記事231件、Short Takes記事239件、ニュース記事99件、調達関連記事227件を発行致しました。また2014年7月からは特集シリーズとして、神戸大学小柳先生による書下ろしの「HPCの歩み50年」を連載して好評を得ております。さらに11月からはCAEシリーズを開始し、アカデミアのみならず産業界のHPCにも光を当てて参りました。この結果、HPCwire Japanの月間ビュー数(閲覧数)は2013年11月の9,450から2014年11月には20,011と2倍になることができました。これも偏に皆様のご支援の賜物と感謝しております。

2014年を思い返しますとHPCにとってはあまり画期的なニュースはございませんでしたが、いくつか特筆すべきことがありましたので明記しておきましょう。

  • 次期スーパーコンピュータの開発である「フラグシップ2020プロジェクト」が正式に稼働しました。正式な開始に伴い、石川裕氏が東京大学を退職し正式にプロジェクトリーダーとして活躍されることとなりました。また開発担当ベンダーは富士通となっています。
  • 米国エネルギー省の次期スーパーコンピュータシステムCORALのベンダーがIBMに決定しました。HPC業界では暫く沈黙を続けていたIBMが再び息を吹き返す時が来たのかもしれません。予算総額は4億2千5百万ドルです。
  • 日本電気が次期スーパーコンピュータシステム仮称「Aurora」の概要を発表しました。最大性能は現行SX-ACEの100倍以上となる数十ペタフロップスを目指しています。
  • TOP500のベンチマークであるLINPACKの他にHPCGと呼ばれる新しいベンチマークの結果が徐々に出てきました。特に日本の京コンピュータはLINPACKでは世界第4位ですが、HPCGでは世界第2位となっています。
  • HPC関連の訃報もありました。TOP500およびドイツのスーパーコンピュータショーであるICSの企画立案者であるHans Meuer教授が亡くなりました。また、12月には九州大学の情報基盤研究開発センターの前センター長であった青柳睦教授が亡くなられました。ご冥福をお祈りします。

2015年がHPC業界にとってどのような1年になるか非常に楽しみです。特に待望のIntel Knight’s Landingがどのような製品として出てくるのか期待されます。

本年もHPCwire Japanをよろしくお願いします。

2015年1月元日
HPCwire Japan
発行責任者 西 克也